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発達障がいについて

発達障がいは、脳機能の発達が関係する生まれつきの障がいです。
親の育て方や環境が原因で起こることではありません。発達の早期に行動の特徴が現れますが、幼児期には子どもはこのようなものだと見過ごされることもあります。多くは、集団生活の中で、他の子どもとの違いが明らかになってきます。子どもの育ち方や人の関わり方が通常と違っているために、親は「育児がうまくいかない」と感じることが多くあります。外見では分かりにくいため周囲の人からは親のしつけができていないとか、わがままな子、変わった子などの偏見や誤解を受けることもあります。
治療したから治るというものではありません。しかし、周囲の人が子どもが持っている発達の特性を知って、環境や対応方法を工夫して接することで、子どもの生活上や学習上の困難さを軽減できることが分かって来ました。そのために、早期発見と早期からの応が必要です。

ハイタッチする男の子2人 発達障がいの相関図 お母さんに後ろからハグされている女の子

障がいの種類を明確に分けて診断することは大変難しく、それぞれの障がいの特徴が少しずつ重なり合っている場合も多くあります。また、年齢や環境によって、目立つ症状が違ってくるので、診断名が異なることもあります。

発達の特性のことを、発達の 凹 凸 (でこぼこ)と表現する専門家もいます。

その子どもがどんなことが得意で何が苦手なのか、どんな長所や魅力があるのか、「その子」に合わせて支援していくことが大切です。ある一定の基準に合わせることは難しくても、強みや長所を社会的に役立つ形で発揮できるようになることで、自分らしく生きていく道を見つけることができます。そのためにも、家庭や学校や地域など、周囲の人たちが障がいを正しく理解し、適切な支援をしていくことが重要です。

同じ人に、いくつかのタイプの発達障がいがあることも珍しくなく、そのため同じ障がいがある人同士でも全く似ていないように見えることがあります。
個人差がとても大きいという特徴があります。

子どもの頃に診断を受け、周囲からの理解を受けて成長した人たちの中には、成長とともに症状が目立たなくなる人や、能力の 凹 凸 をうまく活用して社会で活躍する人も多くいます。

発達障がいの症状について

自閉症

自閉症は、3つの特徴を持つ障がいです。
典型的には1歳台で、人の目を見ることが少ない、指さしをしない、他の子どもに関心がない、などの様子がみられます。成長するにつれ症状は変化し、人それぞれに多様化します。新しい診断では、ASD(自閉スペクトラム)と表記されることもあります。

  1. 特徴1総合的な対人関係の障がい

    人に対して、あるいは社会的な面で適切で総合的な関係を築くことが困難です。
    具体的には、次のようなことが特徴として現れることがあります。

    • ・周りの世界に無関心
    • ・目が合いにくい
    • ・他の子と遊ぼうとしない
    • ・興味のあるものを見せたり、持ってきたりしないなど
  2. 特徴2コミュニケーションの障がい

    相手との相合的な意思の疎通をはかることが困難です。
    具体的には、次のようなことが特徴として現れることがあります。

    • ・言語の発達に遅れがみられる
    • ・会話がうまくできない(全くしゃべらない、一方的にしゃべりまくる、話がとぶなど)
    • ・オウム返しが多い
    • ・年齢に応じたごっこ遊びができない
  3. 特徴3想像力、柔軟性に基づく
    行動の障がい

    パターン化した興味や活動は得意ですが、思考や行動の柔軟性が未熟なため、こだわりが強いという傾向があります。
    具体的には、次のようなことが特徴として現れることがあります。

    • ・興味のパターンが決まっていて、没頭する(時刻表や統計への興味、ある一定の物事が同じであることに強くこだわる)
    • ・道順や物事の手順など、決まったやり方があり、融通が利かないなど
      ※ほかにも、睡眠が不規則になったり、じっとできなかったり、奇声を突然上げたり、パニックになることがあります。また、味・嗅覚・触覚などの感覚が過敏することもあります。

アスペルガー症候群

広い意味での自閉に含まれます。自閉症の3つの特徴を持っていますが、知能に明らかな遅れがない(IQ70以上で知的障がいがない)場合を、高機能自閉症といいます。高機能自閉症の中で、言葉に遅れがないものが、アスペルガー症候群といわれています。成長とともに対人関係の不器用さが目立ってきます。具体的には、次のようなことが特徴として現れることがあります。

  • ・他の子どもにあまり興味を示さない
  • ・親しい友人関係を築けない
  • ・同じ遊びを繰り返す傾向が強い
  • ・行動がパターン化し、融通が利かない、
    習慣的な暗黙のルールが分からない
  • ・特殊な物の収集癖があるなど、興味の対象が独特
  • ・表情や身ぶり、声の抑揚、姿勢などが独特
  • ・会話で、冗談や比喩・皮肉が分からないなど
     ※このほかに、身体の使い方がぎこちなく、不器用な場合が多く見られます。

思春期や青年期になると、自分と他人の違いに気づいたり、対人関係がうまくいかないことに悩んだりし、不安症状やうつ症状を合併する場合があります。就職して初めて、臨機応変にできないことや職場での対人関係などに悩み、自ら障がいではないかと疑い病院を訪れる人もいます。

学習障がい(LD)

学習障がいは、知的発達に大きな遅れはないのに、話す、読む、書く、推論するなどのうち、特定の脳力の習得と使用に困難があります。特定分野以外では遅れがみられないため、『やればできる子なのに、努力不足、勉強不足』と思われて、本人や親も気づかないままにやり過ごされていることが多くあります。具体的には、次のようなことが特徴として現れることがあります。

  1. 特徴1話すこと

    筋道立てて分かりやすく話をすることや、自分の経験を説明することが苦手で、思いつくままに話します。
    また、話題がとびやすい傾向があります。読むことには問題がありません。

  2. 特徴2読むこと

    文字や文章の意味をとらえて正確に読むことが苦手です。また一文字ごとの拾い読みや、行を飛ばすこと、どこを読んでいるのか、分からなくなることもあります。話すことには問題がありません。

  3. 特徴3書くこと

    文字を読んで理解することはできますが、書くことが苦手です。ひらがな、カタカナ、漢字の左右、上下が反転することがあり、話すことには、問題がありません。

  4. 特徴4聞くこと

    集団の中での支持や、複雑な会話の理解が苦手です。話を聞く時の「注意の集中」が難しいため、指示されたことを忘れて 何度も聞き返すことがあります。

  5. 特徴5計算や推論

    数の概念、数の規則性の理解が苦手です。足し算や引き算、くり上がりの計算ができなかったり、筆算の桁がずれたりすることがあります。また、文章内容の理解が難しいため、文章問題が解けなかったり、時計や単位が理解しにくかったりする場合もあります。

注意欠陥多動性障がい(ADHD)

注意欠陥多動性障がい(AD/HD : Attenntion-Difict/HyperactivitDisorder)は、ADHDと表記されることもあります。不注意(注意持続の欠如)、あるいは発達年齢に見合わない多動・衝動性、又はその両方の症状が、通常7歳までに現れます。集団生活が、始まると、多動や不注意といった様子が目立ち、その子どもの特徴がはっきりしてきます。具体的には、次のようなことが特徴として現れることがあります。

  1. 特徴1多動性

    おしゃべりが止まらない。待つことが苦手でうろうろする。落ち着きがなくじっとできないなど

  2. 特徴2不注意(注意持続の欠如)

    うっかりして同じ間違いを繰り返す。忘れ物が多く、物をなくしやすい。気が散りやすく、集中力が続かないなど

  3. 特徴3衝動性

    約束や決まり事を守れない。せっかちでイライラしてしまう。順番を待つのが難しいなど

  4. このような特徴は、注意されても変わらないので、社会的な活動や学校生活に支障をきたします。そして周りの人から非難されたり、教師や親に叱責されたりして、否定的な自己イメージを持ってしまうことも少なくありません。

どのように育てていけばいいの?

仲良く写真アルバムを見る女の子と両親 家族は応援団

「あなたはあなたのままでいいよ」
「いつでも見方だよ」と、
はっきりと伝えて、
お子様の一番の応援団として、
お子様を安心させてあげましょう。

  • ・家族の協力

    家族それぞれが異なる接し方をすると、子どもは混乱して、ますます生活しにくくなります。その子に合った接し方を家族が同じように理解して、実行することが大切です。

  • ・家族の理解

    子どもの特性について、家族一人一人がよく知って、対応の仕方を学んでじっせんすると、お互いに生活の困難さが軽減されます。

  • ・きょうだいがいる場合

    つい、発達障がいがある子どもに手を取られて、きょうだいの子どもに我慢させることが多くなりがちです。その子は自分にかまってもらえないことで不満を持ったり、不安になることも多くなります。意識して、きょうだいの子どもと親だけで過ごす時間を作って、「自分は大切にされている」と思えるようにしていくことが大切です。

適切な療育が必要

発達障がいの子どもが社会性を少しでも身に付けていくためには、適切な療育が大切です。子どもの発達や特性に合わせて、生活の困難さを減らし、対応力を付けていく手助けとなります。また、専門機関では、お子様の得意不得意など特性に合わせた家族の関わり方をアドバイスしてもらえます。

子どもと接するときに
配慮したいこと

  1. ポイント1安心できる場所をつくる

    いろいろなものが目に入ると集中できません。リビングや子ども部屋に余計な物は置かないようにします。また、必要な場所には絵や写真で表示して、わかしやすくします。子どもが好きなことをする時間、一人で落ち着いて過ごす空間を用意することで、気持ちが落ち着いて、プラス面を伸ばすことができます。

    • ・前面に布カーテンを付ける
    • ・おもちゃ箱は中身が見えないものとして、名札を付ける
    • ・テレビはほかのことをする時は消す
    • ・物を出したままにせず、所定の場所に置き、標示を付ける
    • ・本の背表紙が目に入らないように、ガラスシートを貼る

    このような環境にすることには、気持ち良い暮らしにもつながります。
    家族みんなが協力して、環境を保つと
    子どもも落ち着きます。

  2. ポイント2肯定的に具体的な言葉で伝える

    否定的な言葉ではなく、穏やかな声で、具体的に、短い言葉で伝えるようにします。今、とるべき行動がわからなくて周囲の迷惑になっていることがありますが、どうすればいいのか伝われば、そのような行動は減ってくるでしょう。

    • ・うるさい!
    • ・早く!遅い!
    • ・走ったらダメ!
    • ・病院では小さな声で話します
    • ・時計の長い針が「6」に来たら出かけます
    • ・お店の中では歩きます
  3. ポイント3事前の予告で心の準備を

    次に何をするのか、分からないと不安になります。一日の予定、帰宅したらすべき日課などは、文字や絵を使って、見てわかるようにしておくなどの工夫が効果的です。初めての場所に行くときなどは、家を出る前に必要な情報を伝えておきます。急に予定が変わったら、その都度伝えて、見通しが持てるようにすることが大切です。

  4. ポイント4できたことを誉める

    できたことは大げさになってもいいので、はっきりわかりやすく誉めます。またやってみようと思えるように、言葉かけやスキンシップでごほうびを与える方法もあります。一方、できなかったことを叱られることが多いので、叱るのではなく対処方法を考えたり、一緒に考えたりします。そして、1つできたら誉めることを繰り返し、できることを少しずつ)増やしていきましょう。